Windows10にTeX Live 2018の環境を構築する

概要

情報系など理工系でレポートを書くときに必須であるTeXをインストールします。 今回はLatexmkを用いて、様々なエディタからの利用を考えます。

Ubuntuの方はこちらを参照してください。 blog.akashisn.info

Mac blog.akashisn.info

構築する環境

  • Windows 10 (1809)
  • Tex Live 2018

TeX Live のインストール

Windowsでインストールするときはネットワークインストーラーを用いる方法が普通だと思うが、 インストールに失敗することもあるのでISOファイルからインストールする方法を採用する。

Index of /pub/CTAN/systems/texlive/Images からtexlive2018.isoをダウンロードする。

ダウンロードしたファイルをダブルクリックしてマウントする。

f:id:akashisn:20181029190608p:plain

install-tl-windows.batをダブルクリックして実行

f:id:akashisn:20181029191223p:plain

[次へ] f:id:akashisn:20181029191320p:plain [次へ] f:id:akashisn:20181029191330p:plain TexWorksフロントエンドを導入のチェックを外して[次へ] f:id:akashisn:20181029191337p:plain しばらく待つ(40分ほど) f:id:akashisn:20181029191344p:plain このように表示されたらインストール完了 f:id:akashisn:20181029195153p:plain

Windowsの場合はインストールするとパスも通ってるはずである。

> tex -v
TeX 3.14159265 (TeX Live 2018/W32TeX)
kpathsea version 6.3.0
Copyright 2018 D.E. Knuth.
There is NO warranty.  Redistribution of this software is
covered by the terms of both the TeX copyright and
the Lesser GNU General Public License.
For more information about these matters, see the file
named COPYING and the TeX source.
Primary author of TeX: D.E. Knuth.

もし、

> tex -v
'tex' は、内部コマンドまたは外部コマンド、
操作可能なプログラムまたはバッチ ファイルとして認識されていません。

と表示されたら、C:\texlive\2018\bin\win32をパスに追加する。

tlmgrにリポジトリを登録する。

> tlmgr option repository http://mirror.ctan.org/systems/texlive/tlnet/

TeX Live のアップデート

tlmgr本体のアップデートを行う。

> tlmgr update --self

パッケージのフルアップデートを行う。

> tlmgr update --all

パッケージの追加

CTANにあるパッケージであれば、

> tlmgr install (パッケージ名)

でインストールできる。

もしCTANになければ手動でインストールすることになる。 本環境でのTeX Live 2018のインストールディレクトリはC:\texlive\2018\となっている。

各パッケージは殆どの場合{Tex Liveのインストールディレクトリ}\texmf-dist\tex\latex\以下に、 *.styファイルなどを[パッケージ名]\[パッケージ本体]のように配置して、

> mktexlsr

を実行すればLaTeXが認識してくれる。

詳しくはLaTeX入門/各種パッケージの利用 - TeX Wiki

Latexmkの設定をする

Latexmkとは、

Latexmkは文書を作成するのに必要な回数タイプセットしてくれるツールです。 BibTeXMakeindexなどの実行も自動で行われます。

Latexmk - TeX Wiki

LaTeX の細かい知識に関心がなく、フォント設定の煩わしさを少しでも軽減したければ、この文書は読まずに XeLaTeX や LuaLaTeX への移行を考えましょう。

TeXとフォント - TeX Wiki

特にこだわりがなければ、LuaLaTeXに移行しましょう。

以下のコマンドで公式ドキュメントを見ることができる。(英語のPDF)

> texdoc latexmk

*ホームディレクトリに以下のLatexmkの設定ファイルを.latexmkrcという名前で作成する。

*Windows の場合ホームディレクトリとは

  1. 環境変数 HOME が定義されていればそのフォルダ
  2. そうでなければ環境変数 USERPROFILE で指定されたフォルダ

環境変数が定義されているかを調べるにはエクスプローラーのアドレスバーに%環境変数%と入力してみて移動できたらあることがわかる。

f:id:akashisn:20181029202238p:plain

#!/usr/bin/env perl
$lualatex                    = 'lualatex -halt-on-error -synctex=1';
$bibtex                      = 'pbibtex -kanji=utf8 %O %B';
$biber                       = 'biber --bblencoding=utf8 -u -U --output_safechars';
$makeindex                   = 'mendex %O -o %D %S';
$max_repeat                  = 5;
$pvc_view_file_via_temporary = 0;
$pdf_mode                    = 4;
$postscript_mode = $dvi_mode = 0;
$pdf_previewer               = 'SumatraPDF.exe';

これで、

> latexmk hoge.tex

でビルドできるようになった。

実行時のオプション

  • -pv コンパイルが完了したら$pdf_previewerで指定したコマンドを使ってpdfのプレビューを表示してくれる。
  • -pvc -pvオプションと同じ。ただ、ソースファイルが更新されたら自動で再コンパイルをかけてくれる。
  • -c 変換途中に生成したファイルを削除してくれる。logファイルとか。
  • -C 出来たファイル全部消す。dviファイルとかpdfファイルとか。

latexmkを使う - Qiitaより

SumatraPDFのインストール

AdobeのPDF ReaderはPDFをロックしてしまうので、SumatraPDFをインストールします。

Download Sumatra PDF - a free reader

ここから環境に合わせたものをダウンロードし、インストールする。

  • C:\Program Files\SumatraPDF(64ビット)
  • C:\Program Files (x86)\SumatraPDF(32ビット)

環境に合わせてパスを通す。

各エディタから使えるようにする

Latexmkを使用することで環境に依存せずにエディタの設定が行えるので以下を参照してエディタの設定を行う。

Visual Studio Code から使えるようにする

UbuntuにTeX Live 2018の環境を構築する - akashisnの日記

Sublime Text 3から使えるようにする

UbuntuにTeX Live 2018の環境を構築する - akashisnの日記